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東雲水域

性転換系、交換系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。

絶対理想彼女 第二章 おわり


 それは精巧に出来てはいたが、よく見るまでもなく人形だった。
 リアルなラブドールの男性版という感じで、触れてみるとさっきまでの人肌の感触はどこにもなく、一般的なラブドールと変わらない質感になっていた。
 風呂に入る直前までは、何の異常もなかったはずなのに。
「まさか、この体と入れ替わった……?」
 元々この体とて、一瞬本物と見間違うほどに精巧だったとはいえ、ただのラブドールだったのに、俺の意識が入ってからは普通の人間の身体としか思えない状態になっている。
 それを考えれば、逆も十分にあり得る。
 何十年も慣れ親しんだ自分の身体が人形に変わってしまったことに、正直ショックだったが、頭の冷静な部分は「これで食費が二倍になることはないし、自分の身体を介護する必要はなくなった」などと思っていた。
 元に戻れるかどうかは正直不安だったが、最も避けたかった状況は回避出来たのだ。
「それにしても、男のラブドールって変な感じだな……」
 ラブドールといえば普通は女性のものだ。
 男性型のラブドールなど、少なくとも俺は聞いたことがない。
 俺は元自分の体に触れ、腕を持ち上げてみる。一応芯は通っているのか、取らせたいポーズを取らせることができるようだ。見た目よりは軽く、いまの俺の力でも十分持ち上げることが出来そうだ。
 試しにその体が座っているソファの後ろに回り込んで、脇の下に手を入れて持ち上げてみようとする。すると、さすがに軽々とはいかなかったものの、本腰を入れて運ぼうとすれば運べそうだ。
 これなら、クローゼットの奥とかに隠すことも出来る。
「よし、片付けることは出来そうだな。……あと、気になるのは」
 気になるところ。
 それは、股間の状態だった。
 普通ラブドールといえば女性の体をしているものだ。男である俺の人形のそこがどうなっているのか、まったく予想ができない。
 恐る恐るその場所を覗き込んでみると、そこにはゴムで出来た太いペニスが力なく横たわっていた。その見た目は普段の俺のものとは似ても似つかないものになっている。
 ペニスの周りの毛はなくなっていて、十分な大きさのペニスに比べてなんともアンバランスな状態だった。
 前に回り込んだ俺は、その勃起した時のような太さながらも、ふにゃふにゃとしているものに手を伸ばした。指先で軽く触れてみる。
 するとそれに反応したのか、ムクムクと起き上がってきて、瞬く間にいつも俺が勃起したときと同じ状態になった。
 そのペニスには皮という概念はないようで、常に最大に勃起した時の形だった。
 もう一度触れてみると、今度の感触はより普段勃起した時の状態に近く、体温がないことを除けば、俺がオナニーする時に触る時の感覚と変わらなかった。
 もちろん、肉とゴムという感触の違いはあるのだが、限りなくそれを再現しているという感じだ。
 人形になってしまっているとはいえ、こんな風に自分のものが勃起している様を、傍から見る機会はない。
「他の視点から見ると、こんな感じなのか……なんか、すごいな」
 我ながら貧相な感想だとは思うが、それが第一印象だった。
 いまの俺の顔の大きさくらいありそうな長さに、親指と人差し指で作れる円ほどの太さ。こんなものがさっきまで自分の体の中に入っていたのかと思うと、改めて驚愕してしまう。
「いや、ほんとにこれが入ってたのか?」
 思わず俺はいまの自分の体を見下ろした。細い腰に小さなお尻。その股間にある穴は小さくすぼまっていて、太いペニスどころか、指一本だって入るか怪しい。
 入っていたのだから入らないわけがないと思うのだが、試してみる気にはなれなかった。
「それにしても……元々普通の体だったなんて思えないなぁ。精巧ではあるけど……」
 俺は男の身体の前に座り込み、まじまじと男の股間を観察する。
 傍から見ると男性型ラブドールの股間を興味津々で観察する痴女でしかなかったが、この家には俺しかいないので問題なかった。
 ペニスを片手で掴んで、より注意深く観察する。見る限り、ペニスに穴のようなものは空いていないので、射精する機能はなさそうだ。あっても困るが。
「でも勃起状態になる機能はあるんだよな……どういう仕組みなんだか」
 明らかに人智を超えた力が働いているっぽいので、考えるだけ無駄なのだろうが、そんなことを考えてしまう。
 俺はくだらない考えを一端脇に置き、改めてこれからどうするべきかを考えた。
 元の身体に戻りたいかといえば『戻らなければならない』と思う。
 なにせこの身体は元がラブドールなのだし、戸籍や名前などはない。俺自身を保証人にするにしても、俺そのものが変わってしまっているのだから難しい。
 この身体ではまともに生活していくことも出来ない。このまま戻れなかったら仕事も首になってしまうし、ずっと元の身体に戻れなければ色々と詰んでしまう。
 一応、記録自体が書き換わっている可能性も考え、免許証などを確認してみたが、それらは元の俺の身体の名前と姿のままだった。
(そう都合良くはいかねえよなぁ……さて、どうしたもんか)
 俺は腕組みをして、知恵を絞る。
 この身体は傍から見ると絶世の美女としか表現出来ないほど、容姿に優れている。
 それを利用して金持ちの男に貢がせることは出来なくはないだろう。中身が男の俺だからホステスみたいなことはできないが、やり方はいくらでもある。
 とはいえ、男に抱かれるようなことは御免だ。あくまで俺は男なのだから、男に抱かれて喜べるわけがない。
(元に戻る方法を探らなきゃいけないわけだが……)
 幸い、連休の初日だから仕事に出なければならなくなるまでには少し時間がある。
 ラブドールを存分に楽しむつもりでこういう日程にしたのだが、結果としてそれがいい具合に働いた。
 ひとまず、人形になってしまった俺の身体は放置しておいても大丈夫だろう。
 俺は寝室に行って寝ることにした。今から思うと、居間でラブドールを味わおうとするなんて、なんて堪え性のないことだろうか。
(普通は、リビングのソファの上でラブドールを使おうなんて思わないよなぁ……)
 普段ならそう考えるはずなのに、なぜか今日はそうしなかった。
 ラブドールひとつにどれほどテンションを上げていたのか。改めて自覚すると少し恥ずかしい。
 結果として、散々リビングに精液やら汗やらなにやらを撒き散らしてしまい、明日掃除しなければならないのが酷く億劫だ。
 まあ、それ以前に自分の身体がラブドールと換わってしまうというどうすればいいかもわからない後始末があるが。
「いま考えるのはやめよう……」
 今日はとにかく疲れた。自分で施した拘束ではあったが、それを解くために何時間も格闘していたのだから当然だ。
 シャワーを浴びて身体は少しすっきりしたが、消耗した体力までは戻っていない。
 俺は気怠い身体を引き摺るようにして、寝室へと向かい、ベッドに潜り込む。
 いまはシャツ一枚しか着ていないからなんとも奇妙な感覚ではあったが、今日ばかりは疲労の方が勝った。
 ベッドに入ってすぐ、強烈な眠気がやってきて、俺はそのまま眠りについた。

 そして目を覚ます。

 気絶するように眠ったからか、夢を見た記憶もなく、気づけば朝だった。
 窓の外が明るく、今日は天気がいいようだ。俺は寝ぼけつつベッドの上で身を起こし、そして色気たっぷりの女の身体が目に入って、思わず瞠目した。
 それがいまの自分の身体だと自覚するまでに、数秒の時を有した。
 反射的に心拍数が上昇したのが、ゆっくりと落ちついていく。薄いシャツ越しにうっすら身体が透けていて、見下ろす視点の先ではピンク色の突起が内側からシャツを押しあげているのがわかった。
 男の時に見たらそれはもう大興奮出来る類いの光景だったが、いまはそれが自分の身体だということや、身体が女だということも関係しているのか、興奮度合いはすぐに落ちついていった。
 俺はベッドから降りて、両手を上げて軽く身体を伸ばす。その際にも大きな胸が気になる動きをしていたが、ひとまず置いておく。
 一晩寝たおかげで頭がすっきりし、体力も回復した。
「これからどうするか……考えないとな」
 とりあえず、やることはひとつ決まっている。
 それは、ラブドールを購入した会社のことを調べるということだ。
 ごく普通のアダルトグッズの開発会社だったはずだが、こんなとんでもないものを送ってきたのはその会社であり、何も知らないはずもない。
 問題は、なんらかの目的があってこんなものを送りつけてきたとすれば、普通に問い合わせても何も応えない可能性があるということと、そもそもこんな話をどう持ち込めばいいのかわからないということだろうか。
 もし会社が無関係であったなら、俺は「ラブドールを使用したらラブドールと身体が入れ替わってしまった」などという世迷い言を口にするイカれた女だと思われるだろう。
 思われるだけで済めばいいが、最悪警察やらなにやら呼ばれ、存在しないはずの人間であることが明らかになるなど、何かと面倒なことになる気しかしなかった。
「送ってきたのは向こうの会社なんだから、無関係なわけはないと思うんだけどなぁ……」
 俺はそうぼやく。もしかすると俺に隠れた力があって、その結果だという可能性もないわけではない。
 けれど、主人公が特殊な生まれだったり特別な血を引いたりしている少年漫画じゃあるまいし、いままで平凡に生きてきた俺にそんな能力があるとは考えにくい。
 どちらに原因があるかと考えれば、それはやはりラブドールという道具側にあると考えるのが普通だろう。
 だからあのラブドールを作った会社に原因があると思うのだが。
 そうでなかった時が怖い、と堂々巡りだ。
 そんなことをつらつらと考え得ていたら、「くるる」と可愛らしい音が響いた。自分の腹の音だと遅れて気づく。
 別にお腹が鳴る音にそれほど男女差があるとは思わないのだが、不思議と可愛らしく感じるのだから不思議なものだった。
「とりあえず、飯にするか……と、その前に」
 昨日は疲れていたから気にならなかったが、シャツ一枚というのはやっぱり気になる。特に何も履いていない下半身がスースーするのは問題だ。普段ならぶら下がっているものがないから、そういう意味ではまだマシかもしれないが。
 紐で腰回りが調節できるトランクスなら履けるかと思い、とりあえず履いてみたが、やはり元々の大きさが違いすぎる。何も履かないよりはマシだが、隙間が多くて結局気になるのは変わらない。
「うーん……と、そうだ」
 俺は細長いフェイスタオルを取り出して来て、それを自分の腰に巻いた。巻き方は適当だったが、要はふんどしのようなものだ。その上からさっきのトランクスを履いて抑えれば、急場しのぎにはなる。
 若干、おむつを履いているような情けない感覚ではあったが、何も履いていないよりはマシだった。
「よし、上は……上もタオルで抑えるか」
 この身体の胸は大きいので、ぶかぶかのシャツ一枚では揺れるし、先端がシャツに擦れて若干痛い。
 サラシの要領で胸にタオルを巻き、シャツを身につければ、ひとまず落ちついた。無地のものを選んだとはいえ、サイズが全く合っていないから、なんとも不格好ではある。
「服も必要だなぁ……はぁ……」
 この状態がどれくらい続くかはわからないが、こんな急場しのぎの格好では外に出ることもできない。
 通信販売が発達している現代で良かった。家から一歩も出なくとも女物の下着や服を買うことが出来る。
 とりあえずそのことはあとで考えるとして、俺は朝食の準備を始めた。
 トーストとサラダ、牛乳、といういつも通りの簡単な食事だったが、それを口にするとだいぶお腹いっぱいになってしまった。どうやらこの身体はかなりの小食らしい。
「食費的は浮くから助かるな」
 この身体でいいところを呟きつつ、俺は食器を手早く洗って片付けて、一息ついた。
「さて……面倒だけど片付けないとな……」
 俺はリビングの惨状を改めて見渡して、溜息を履く。
 ラブドールの梱包材や各種拘束具。ソファに鎮座する元俺の身体、飛び散った様々な液体らしきものの痕跡など、どれほど手間がかかるかわからない。
 とはいえ、やらなければならないことに変わりは無く、俺はひとつひとつ片付けていくことにした。
 まず手をかけたのは、ラブドールが送られてきた大きな箱だ。
「俺の身体を仕舞うとしたら、この中かな……ん?」
 そう思いながら箱に手をかけ、詰められていた梱包材などを一端取り出していると、その梱包材に埋もれる形で、一冊の説明書が入っていることに気づいた。
 そういえば、本体に気を取られてそれに目を通していなかった。ラブドールだと思っていたし、基本的に俺は説明書に目を通さないタイプなのだ。
「もしかして、この説明書に何か書いてあるんじゃないか……?」
 もし会社が関係しているなら、その可能性は高い。
 俺はその説明書に手を伸ばし、中を開いてみる。

 そこには――驚くべき内容の記載があった。

つづく
[ 2019/05/08 22:46 ] 小説・絶対理想彼女 第二章 | TB(-) | CM(1)

絶対理想彼女 第二章 2


 その場所を改めて見てみると、なんとも不思議な感じだった。
(普段は外に飛び出してる物があるところなのに、こうして何もないと……不安になるな)
 思春期の男子高校生ではあるまいし、その場所を見るのを恥ずかしく感じたりはしないけど、なんとも奇妙な感覚にはなっていた。
 俺の好みに合わせて、ほとんど痴毛は生えていない。見た目の年相応には生えていると思うが、決して剛毛ではなく、慎ましい感じの、いい塩梅といえる。
 そんな秘部に手を触れさせてみると、微妙に嫌な感触があった。
(ああ……そういや、出した……いや、出されたままだったな)
 俺自身が出した一回と、萎えさせるためにもう一回。
 この身体は計二回分の射精を受けていた。その際にこの身体に注いだ、あるいは注がれた精液はまだ身体の中に残っていて、重力に従って垂れてきていた。
 奇妙な感触の元凶である精液を、シャワーで洗い流す。直接お湯をかけたりはせず、下腹部に当てて流していたのだが、まだ身体の中に残っている気がする。
(うーん……指って突っ込んでいいもんか……? いや、入るのは知ってるけど……洗うのってどうすりゃいいんだ)
 ボディソープとか石鹸とかで洗えばいいのだろうか。
 ペニスならいつもそれで洗っているし、異常があれば見て確認することが出来るが、女性器の場合、見えないところだから悩む。
(お湯くらいなら流しこんでも大丈夫か……?)
 シャワーを押し当ててオナニーする女性もいるらしいし、それくらいなら平気かもしれない。
 けど、どうにも踏ん切りが付かなかった。身体の中に何か入れるというのが、普通はしないからな。臆病になりすぎているかもしれないが、この身体のこと自体よくわかっていないのだ。
 慎重に行動して悪いことはないはずだ。
 結局、とりあえず表面だけ洗い流すことにして、指を中に入れたりはしないでおいた。
(それにしても……理想の身体も、こうして自分の身体になると、案外興奮しないもんだな)
 俺の理想をそのまま形にしたようなこの身体がシャワーを浴びている姿なんて、元の身体の俺が見たら、大興奮だっただろう。
 実際、揉みたくなるような双丘が視界の一部にずっと映っているのは、興奮材料ではある。ゆらゆらと揺れる乳房の先端で、ピンク色の綺麗な乳首が存在を主張していた。普段の俺なら思わずにやけてしまうような姿だ。
 けれど、その視点が上から見下ろすものになっているだけで、興奮度合いが急激に下がっていた。揺れるそれのせいで落ち着かない、という感覚まである。
「……はぁ」
 一通り身体を洗ったことで、この状態について考えるようになった。
 果たして元の身体に戻れるのだろうか。
(元の身体もどうしたらいいんだ……? 食事とか、排泄とか……自分の身体を介護するとか、マジで憂鬱なんだが……)
 こんな異常事態で頼れる相手もいない。
 警察や病院に通報したとして、『リアルなラブドールを注文して、それを使ってオナニーしてたら、そのラブドールに意識が移ってしまった』なんて、頭がおかしいと思われるだけだろう。少なくとも俺が逆の立場だったら信じない。
 とにかくなるようにしかならない、と開き直った俺は、シャワーを止め、浴室の外に出て大きなバスタオルで身体を拭いていく。
 濡らした髪を乾かすのにメチャクチャ時間がかかった。世の中の女性たちはすごいと思いつつ、俺はTシャツを着ることにした。
 うちに女性用の服などないし、ましてや下着もない。だからとりあえずTシャツを着てみたのだが――ただのTシャツだというのに、やろうと思えば肩方の肩が出てしまいそうなほど、ぶかぶかだった。裾も太ももの半ばほどまで達していて、短めのワンピースみたいだ。
 それほどに、男の身体との差異が大きいのだ。
 さっき寄り掛かったときはそこまで差は無いと思っていたのだが、こうしてみると色々な面での違いが明らかになる。
 脱衣所の鏡には、ぶかぶかのTシャツを着た美女が映っている。如何にも彼シャツという感じで、そそられる外見ではあるのだが――それが自分だという最大のマイナスポイントが払拭できない。
「はぁ……どうすっかなぁ……」
 いつものように乱暴に頭を搔こうとすると、長い髪が手に絡みついて来た。このままでは痛い思いをするだけだったので、大人しく手を下ろし、再度ため息を吐く。
 これからどうしたものかと考えながら部屋に戻った俺は、ソファに座ったままの俺自身の身体を見て、眼を見開くことになった。

 俺の元の身体が――人形めいた質感に変わっていたのだ。

つづく
[ 2019/05/07 22:54 ] 小説・絶対理想彼女 第二章 | TB(-) | CM(0)
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